Google Data APIs サンプル・アプリケーション

石原:Google Data APIsが何かを理解するには、事例を見ることが一番分かりやすいですね。皆さんが作られたウェブアプリケーションを紹介してもらえますか。

櫻吉さん:私はGoogleカレンダー を利用し、タスク管理を行うアプリケーション「二次元タスクリスト 」を作りました。これは2つのGoogle カレンダーを利用しています。それぞれを「タスク登録用」「作業時間登録用」として必要事項を記入します。これらのカレンダーからGoogle Data APIsを用いてデータを取り出してマージし、緊急度と重要度を座標軸としてタスクを表示したものが「二次元タスクリスト」となります。

半谷:これはGoogle カレンダーがプライマリー、セカンダリーという形で複数のカレンダーをもてる機能とGoogle Data APIsの特徴を最大限に利用したアプリケーションですね。サービスを提供する側としては、ここまで使い込んでくれると嬉しいですものです。

桜庭さん:私はPicasa ウェブアルバム を利用したアプリケーションを作ってみました。ロジックはJavaで、GUIJavaFXで作り、Picasaから画像データを取得して、iPodのように写真を表示するアプリケーションです。

作ってみて気がついた点は、認証の仕組みがシンプルで開発がとても楽だったことです。Flickrでも同様なことを作るのは可能ですが、認証の仕組みが煩雑なので、それと比べるとGoogle Data APIsはとても使いやすいですね。

石原Picasaからは画像の他にもデータは取得できるのですか

桜庭さん:画像のほかに、画像名や撮影日時などのメタデータも取得できます。あらかじめ登録されているならば、ジオデータを取得することもできます。

半谷:Google Data APIsを使い、あとからジオデータを付加することもできますね。

桜庭さん:Google Data APIsを利用したウェブアプリケーションとして「こみゅすけ」を紹介しましょう。これは私の友人の田中洋一郎さんが作成したもので、コミュニティの活動情報をまとめて見られるサービスです。Googleカレンダーに登録されたイベント情報をGoogle Data APIsを利用して取得し、地図上にプロットします。たとえば、来週のイベントを調べれば、場所と時間、天気予報まで表示されます。

Google Data APIsでビジネス

石原:ではGoogle Data APIsをビジネスで活用するにはどのようなアイデアがあるでしょうか?

尾藤さん: 今日(注)リリースされたSNS 共通規格であるGoogleの「OpenSocial」はGoogle Data APIsと関係しているのでしょうか?関係しているならばビジネス的に大きな意味を持つと思います。

(注:「デベロッパー交流会(第3回)」は112日に開催されました)

半谷:関係してくると思います。簡単に言えば、Google Data APIsを使いSNSのデータにアクセスできることになります。OpenSocialによって さまざまなSNSに対し共通したAPIでアクセスできるようになるということは、Google Data APIsを活用することによって、複数のSNSをまたいだサービスが実現できるということになります。

桜庭さん:となると、RSSリーダーのSNS版のようなものも出てくるでしょうね。

増井さん:アイデアはいろいろひらめきます。帰ったらOpenSocialについてのドキュメントを読んでみます!

尾藤さん:もう1つ気になることがあります。GoogleのAPIを利用して本格的なビジネスを行う場合、たとえばアクセスが急増するような事態となることでGoogleのAPIが利用できなくなるのではという恐れがありますが、良い解決方法はあるのでしょうか。

石原:Google のAPIはライセンスの範囲内で基本的に無料でお使いいただけます。しかし、より高いレベルの保障が必要なお客様には有償ライセンスプログラムも用意して います。Google Data APIsに対応したGoogle カレンダーやGoogle ドキュメントについてはGoogle Apps Premier Edition をご利用いただければ、ビジネスでお使いいただくうえでも満足していただけるはずです。





交流会の様子
(サンプル・アプリケーション)




交流会の様子
(Google Maps API でビジネス)

ちょうど交流会の開催日に発表されたGoogleの新しい技術で話題が盛り上がったひと時でした。リアルタイムで新たな技術の登場とその展望を語り合えたことは、とても貴重な経験でした。このディスカッションが皆様のビジネスのヒントとなればと思います

次回はGoogle Data APIsに関する苦労話や質問をお伝えします。