石原: Googleのさまざまなサービスとのデータ連携を実現するGoogle Data APIsは、皆さんにとってどのような技術でしょう?
尾藤さん:私は開発のスピードアップという点でGoogle Data APIsに注目しています。一般的にAPIを利用してマッシュアップを行えば、すべて一からサービスを作るよりも開発速度は上がります。しかし、複数のサービスを組み合わせてマッシュアップを行う場合には、それぞれ異なるAPIについて学ぶ必要があり、決して効率的ではありません。一方、さまざまなサービスが対応しているGoogle Data APIsならば、一度学べばさまざまな状況で利用することができるため、学習の効率という点でも開発のスピードアップに貢献すると思うのです。
櫻吉さん: Google Data APIsはとても使いやすいAPIですね。私は、Google Data APIsを使ったアプリケーションを自分のブログで公開しています。その中で、アプリケーションを作る際に必要なデータが既存のサービスにない場合、Googleドキュメントのスプレッドシートにデータを記述しておき、Google Data APIsを用いて、スプレッドシートからデータを取り出すという工夫をしたものがあります。つまり、Googleドキュメントなどをデータベースとしても利用できるということです。この場合、データの送信側を作る必要がないこともメリットになります。
櫻庭さん:フィードを扱うアプリケーションでは、RSSのバージョンの違いの処理が大きな問題となります。しかし、Google Data APIsを使えばこの問題は解決できます。これはデベロッパーにはとても嬉しいことです。また、フィードはサーバからクライアントへの一方通行な情報でしたが、Google Data APIsはクライアントからサーバへの情報の流れも実現する技術です。これは、面白いことができそうな要素ですね。
増井さん:その名称からGoogleのサービスと連携するためだけの技術に思われがちですが、特にGoogleに限らずともサービスを提供する側の立場から見て魅力的な技術だと思います。たとえば、自分で作ったサービスをGoogle Data APIsに対応させれば、独自のAPIを作るよりも多くのデベロッパーに利用してもらえるでしょう。それに、独自のAPIを作る場合、ドキュメントを作るだけでも大変ですしね。
これまでのデベロッパー交流会でご紹介してきたiGoogleやGoogle Maps APIとは異なり、さまざまなサービスに対応するGoogle Data APIsは、立場によって捉え方が異なることがお分かりいただけましたでしょうか?次回はGoogle Data APIsとGoogleのサービスを活用した開発例を紹介します。